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ダイレクトな美と迂遠な美

98153b61.JPGときどき私は画家や演奏家が羨ましいと思うことがある。なぜならば音楽も絵画も、直接的に、手続き不要で「美」を人に味わわせることが可能だからだ。
特にこれは音楽において顕著である。美しい音響は、聴いて「!」となるものであり、そこには考える余地がない。音響は、耳障りか、耳障りでないか、「キレイ!」と感じるか、であり、小説のように「文章は上等、でも構成がまずい」だのと屁理屈を展開するためのものではない。

かつて小説書きを志した私は、この点に気づいてからは自分を「美の創造者」と思うのはやめた。「小説」は「美」はつくらない、いや、つくれないからだ。
「美」に骨の髄まで心酔している私には、このことは少々悲しかった。残念なことに、絵画の才能、音楽の才能がないので、いまさら画家も、いわんや演奏家も目指せないから。

代わりに、こう思うことにした「ダイレクトだけがいいことではない。迂遠な美があってもいい。いや、迂遠というのが逆に面白いのでは」

要するに、これは(迂遠に「美」をつくることは)「文章表現」の宿命なのだ。
相手に「意味や情報を伝達」することが文章の役割であるが、その相手の心に「美による心の快楽」を感じて(または考えて)もらえれば、それで「美の顕現」の目的は達成したよ、とみなす。
もっと分かりやすく言いましょう……小説家のやっていることは「連想ゲーム」なのだ。読者に「美しい」を連想してもらうために、美しいモノを並べ立てる。おそらくこの見解は、小説書きだけではなく、詩人も、歌人も同意してくれると思っているが、どうだろう。

「連想ゲーム」の中身については、もちろんさまざまな技術と演出と、試行錯誤をしているが、それを縷々と述べると何千語も費やすことになります。
とにかく、私のやっていることは、読者の心と頭とを、驚かせ考えさせ呆れさせること……空間上の音響や、絵画に較べて、やっぱり迂遠だなあ(笑)。
画像は、私の大好きなピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)のCD や本です。彼は逆に、年とってからは著述家になりたいと望んでいたが果たせなかった。


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