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ある作曲家の野望と死

0fc08526.JPG昨日は、ちょっと私には厄日でした…ちょっとついていないことが起きて(スキンを変えたのも、ほとんどそのためです)、いささか思いが沈みがち。ぶくぶく…。
今はリカバーしましたけれどね!ショウセツカは、前を見据えつつも、足元からしっかりと歩んでいくべく、靴を準備するのですよ♪

さて、本日は、気分が沈んだときに私が聴く音楽のご紹介です(?)

ジャン・バラケ(1928-1973)という作曲家をご存知でしょうか。
ご存知の方は、きっとセリー主義音楽の専門家か、オリヴィエ・メシアンの大ファンか、または…わたくしのように20世紀フランス文学に、首まで浸かったことのある方と思います。日本では、まずショップでお目にかかることのない作曲家…

私は、ある理由から彼に興味を持ち、なんとアメリカアマゾンでCD を購入しました。それが、この画像の3枚組CD  「OEuvres completes 」です。彼は、生涯に7曲しか曲を残さなかったのです。完璧主義の度が過ぎて、つくっても、満足行かないモノは世に出さなかったのです。また、家がガス爆発から火事になり、楽譜が消失したという不運もあった。

バラケという作曲家は、「絶対的な何か」を追求し、それを音楽で表現しようとし続けました。以下は、1969年に行われた雑誌のインタビューでの彼の言葉です。

「私にとって音楽とは全てなのです。音楽とはドラマであり、情感であり、死である。完全な戯れであり、自殺にいたるわななきである。音楽がそうしたものでないなら、限界に達する超越でないなら、音楽とは何ものでもないのです。」


…こんな台詞を、真剣に口にする芸術家だったのです。実は彼は、ある文学作品に傾倒し、その550頁の長編小説を元にしたオペラを構想したのです。その小説は「ウェルギリウスの死」(ヘルマン・ブロッホ著)。
これもまた日本人にはあまり馴染みのない小説…ローマの詩人、ウェルギリウスの、生涯最後の日を書いたものです。もしこれが完成していれば、ワーグナーの「リング」なみの規模のモノとなったでしょうが、現実には3曲(といっても、曲が長いです)しか完成できなかった。

恐らくバラケは、「死」に向かう人間の限界に立った思考、情念の燃え上がり、などに魅せられていた芸術家だったのでしょう。だから、それをなんとしても音楽にしたいと、自分でも限界の生き方をしたい、するべきだ…そう願っていたと私は思うのです。そのような人だったから、45歳までしか生きられなかったのでしょう。ちなみに、死因は、アルコール中毒による合併症でした。

さて、私は、彼の曲では1952年の「ピアノソナタ」が好きです。速いテンポの前半と、極端に遅い後半という構成のこの曲は、旋律というものが、できては消えて、現れるととたんに「ぷつっ」と沈黙し、そうかと思うと岩を掘削するような勢いで低音が「がががが」と鳴り渡り、またもやしーんと黙りかえるという、聴く人に緊張と思索と絶え間ない問いを強いる音楽です。
終結の部分では、音響と沈黙が交互にくるのが、死にゆく人の喘ぎのようにすら聞こえます……ともかく音楽と言うよりは悲劇が上演されているような、そんな印象を持つことは確かでしょう。

そう、暗い気分の時に、悲劇、いや、悲劇以上のすごい「何か」を企てて、無惨に挫折した作曲家の楽曲は、不思議に心にしみこみます……部屋を暗くして聴くと、なお良いかと。
ゴッホの遺作「麦畑の上を飛ぶ鴉」は、バラケの音楽世界を飾るのに実にふさわしいセレクトと思わずにいられません。


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