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北斎 富士を描く展@日本橋三越

b85e452b.JPG昨日は、三越本店で行われている「北斎 富士を描く展」に参りました。内容はと言いますと、北斎の「冨嶽三十六景」と、「富嶽百景」の二大シリーズを公開!なのです。

ご存知のように、私は最近まで江戸を舞台にしたお話しを執筆しておりましたし、北斎という画家には、ひとかたならぬ興味もあるので、見逃さないぞと思っていってきました。そして、見てきてよかったなあと幸せです。

北斎のどこが素晴らしいかというと、そのデッサン力と、こまかい線の凄まじい凝り方だと思います……それは、円山応挙にも通じる特徴ですが、応挙と北斎とでは、「画題」の見せ方が、180度違っています。
応挙は、画題を、余白との対比で、ただ1つ描く画家ですが、北斎は、画題(例えば富士山)以外のものをきわめて偏執狂的に正確に描き、逆に画題は朦朧と描きます。というか、北斎の絵は「版画」ですから、応挙と較べるのはあまり適当ではないかも…。

それにしても、当時の版画の技術は相当なものだったのですね。なにしろ、走っている馬の足に生えている毛のスジまで、再現されています(^_^;)「冨嶽三十六景」の中の「隅田川関谷の里」という絵です。そうそう、三十六景と言っても、絵は四十六枚出ていますよ。というか、もっと多数になる計画もあったとか。なぜなら、天保2年に出た柳亭種彦作の「合巻」の後付けの広告にて、こんな文があるからです。

「富岳三十六景 前北斎為一翁画 ←つまり北斎のことね   この絵は富士の形ちのその所によりて異なることを示す。(以下長いので略して)此のごとくおいおい彫刻すれば猶百にも余るべし、三十六に限るにあらず」
すなわち、色々な場所から富士を描き分けたことを、最大の売り物にしたのですね。千変万化の富士の姿、それは100以上になるかもよ、と。

本当に、あらゆる「富士山」の姿を、人々や建物との対比で、飽きさせずに見せる構成力には唸りました。あるいは大きく、あるいは小さく、あるいは神秘的に、あるいはユーモラスに。とにかくデザインとして、ヴァリエーション豊かなのです。

同じ対象を、見る角度を変えて観察し、違う物と対比させて、また観察。その北斎の姿勢は、口はぼったいですが、自分も心がけていることです…小説を書くときにね。

えーと、冨嶽三十六景と違い、「富岳百景」は、本の形式で出ています。そして、色が付いていません。ですが、その方がかえって北斎の魅力である、込み入った緻密な線、直線と、曲線のおりなす構図のデザイン的なかっこよさが、よく分かります。
私がこのシリーズで、おおお!と思ったのは、「不二の山明き」と言う絵です。(「山明き」とは、山開きのことです)これは、笠をかぶった登山客が、狭い山道に、押し合いへし合いして昇っていく有様を、上から描いた図です。
丸い笠ばかりが、まるで道に転がる蜜柑のように描かれ、良くみるとホラ貝があり、人の手が、ちらりと見えています。写実というよりも、写実の北斎の想像を加えていると思います。
この絵には富士山はない。ないけれど、登山客の登山の目標として、見る人にとっては認識されるのです。
このような、「それとなく暗示」を、昔から日本の画家はしてきましたねえ。王朝絵巻でも、屏風でも、脈々とやってきてます。好きだなあ。「思わせぶり」「暗示」「視覚的には存在していないが、見る人の想像のなかに【存在】させる」

画家ではありませんが、見習いたい(*^_^*)北斎!!!そして、老いても画業に邁進し続けた粘着的な情熱も~。
なお、展示は3月2日までです!3月1日午前11時と、午後2時には、大久保純一先生によるギャラリートークがございます(*^_^*)私、これも聴きたかったのですが、3月1日は、能を見る日でした

はい、画像は買ってきた図録の表紙!「冨嶽三十六景」のなかの「凱風快晴(がいふうかいせい)」です。

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