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いけばな、その逆説の美

7879e17b.JPG花は美しいが故に、感情を言葉以上に伝える道具として用いられてきた。捧げ物として、また装飾品として、洋の東西を問わず人とともにあったのだ。
花を誰かに捧げるには、それを切り取らなくてはならない。
切り取った花の美を少しでも保たせるためには、器に水を張り茎をつけるしかない…それでもやがて死にゆく運命ではあるが。
花が枯れるのに耐えられない人も中にはいて、そういう人はいけばなを選ばずに園芸を選ぶ。庭は薔薇で埋め尽くされていて、家の中には花など一輪もない…そういう人も実際にいるのだ。(作家の丸山健二氏)

良い悪いではなく、資質の問題なのだろう。私は対照的に、植木鉢の植物すら枯れさせてしまう人間で、それなのに花と植物が大好き。ゆえに花屋で花を買い、ぱちぱちと切って花器に活ける。植物それ自体も好きだが、花器との調和を考えるのはさらに好き。枯れるのは悲しいが、それでショックを受ける程ではない。

「花を切ったら、それは死ぬでしょ。それで『いけばな』とはとんでもない話」というご意見をたまに聞くことがある。これについては私は「日本文化の考える『美』が、そういうとんでもないものなのです」とお答えするしかない。

生々しい物、今生きて生命感を盛んに放っている物にあえて枷をはめる、生命感を押さえ込むことによって、その「ライブ」なありようが強まることを期待し、鑑賞する。その、いわば「ひねくれた」スタンスこそが、いにしえの日本人の堅持してきた「風流の道」である。

そう思ってみれば、なぜ歌舞伎の女性は男が演じるのかも、なぜ能役者は、自然に歩かず「型」を優先して足を運ぶのかも、なぜ舞妓があそこまで作為的で非活動的な衣装をまとうのかも(しかもわざわざ肌を塗り隠してさえいる)、おのずと納得されるのである。

いけばなは、花の生命を否定するところから出発したのではない。
生命を強めるために、徐々に殺してゆくのだ。よくよく考えると恐ろしいような話である。と同時に、飛躍的な逆転の発想であることにも気づく。枷をはめることによって、生命感を濃縮…

いけばなの中の宇宙は、小さいが無限大である。


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